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2008年11月27日 (木)

肉桂について

肉桂について今日は紹介してみます。

肉桂(にっけい)はクスノキ科の常緑樹でして、主に熱帯から亜熱帯にかけて分布しています。漢方薬名で「桂皮」とも言いますが、その名のとおりに木の皮の部分を用います。肉桂は「ニッキ」とも言いまして、ニッキ飴や京都の八つ橋の香りはこの肉桂です。
ちなみに肉桂の英名が「シナモン」だと私も思っていたのですが、肉桂の中の一種がシナモンであるとする説、肉桂とシナモンは全く別物であるとする説、などがありまして色々と複雑なようです。

飯島商店で肉桂を使用している商品は2つでして、「肉桂入り紅玉ジャム」と「肉桂入りルバーブジャム」になります。品目としては大した数ではありませんが、なかなかに手間暇がかかる作業です。何が手間取るかと言いますと、もともとは木の皮である肉桂をボールミルという装置にて粉砕する作業なのです。何グラムの肉桂を粉砕するかによりますが、長い時ですと粉砕するのに2・3日かかることもあります。

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これがボールミルに入れる前の荒く砕いた肉桂の状態でして、

Nikkei2

これがボールミルに入れて粉砕した肉桂粉末になります。非常に細かいきな粉のような見た目でして、舐めてみても粒は全く感じません(ただ、結構辛いです)。飯島商店で使っている肉桂は全てこのようにして手間ひまかけて作っています。

ちなみにボールミルは装置といっても相当に原始的なものです。陶磁器容器の中に荒く砕いた肉桂の皮と陶磁器のボールを入れまして、その容器を回転させることによってボールと肉桂がぶつかり合うことにより、摩擦によって肉桂がほんの少しずつ削られて粉末になるという仕組みなのです。

Nikkei2

これがボールミルの陶磁器容器でして、この中に

Nikkei4

同じく陶磁器でできた大小さまざまなたくさんのボールと、肉桂の皮を入れます。

Nikkei

写真では粉砕し終わった状態ですが、陶磁器容器の中にボールが入っている様子はこんな感じです。これで陶磁器容器の蓋を閉じて

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このような専用の機械で、肉桂がきめ細かい粉になるまでひたすらに容器を回転させ続けます。機械も相当な年代ものなのですが、未だ現役で活躍しています。

ちなみに粉砕方法には色々な種類がありまして、グラインドミル方式(砥石ですりおろして粉体化するもので、石臼やコーヒーミルのようなものです)、スタンプミル方式(石臼と杵で叩き潰して粉体化するものです)、ハンマーミル方式(工業用の高速粉砕方式でして、固い金属ですら瞬時に粉砕することが出来ます)など、色々な方式があります。
その中でもボールミル方式は粉体化するときに発生する摩擦熱が非常に少ない方法です。摩擦熱が高いとどうしても風味の劣化が起こりますので、ボールミル方式で得られる肉桂粉末は、他の方式で得られるものよりも風味高く高品位なものとなるのです。

他の方法よりも手間ひまがかかる上に大量生産は全くできませんのがボールミルですが、少量生産だからこそできる私どものこだわりです。

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