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2008年11月17日 (月)

法住寺虚空蔵堂

稚児ヶ淵へと向かう国道254号線沿いに法住寺というお寺があります(国道沿いに「虚空蔵堂」と比較的に大きな案内柱が出ていますのですぐにそれと分かります)。ここの虚空蔵堂というお堂は国の重要文化財に指定されていまして、上田地域でもかなり異色な建築物です。

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これが虚空蔵堂でして、一番の特色はその屋根です。正面からですとあまりよく分からないと思いますが、裏に回るとその特徴がよくわかります。

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まるで絵本に出てくる麦わら帽子のような形の屋根をしていまして、ユーモラスささえ感じます。このような造りの屋根を入母屋造というのですが、ここまで頭が飛び出た入母屋造の屋根は少なくとも上田地域では見たことがありません。

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屋根の側面ですが、鬼瓦ではなく鬼板と呼ばれる木製の飾りに赤鬼の面がついていまして、ちょっと見は怖い顔なのですが、よくよく見ると何となくこれも愛嬌のある顔です。

建築当時は柱や肘木、垂木なども朱塗りだったのでしょう。お堂の軒下に入ると、当時の朱塗りの面影が残っています。

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Kokuzou6

法住寺虚空蔵堂は建築年代は室町時代中期だとされています。一般には公開されていませんので私もよく見たことはありませんが、お堂の中には虚空蔵菩薩を収めた厨子がありまして、こちらも大変に精巧な作りをしているそうでして国の重要文化財に指定されています。

法住寺のあるあたりは鹿教湯への湯治客や三才山峠を越えて松本へと抜ける旅人たちでかなりにぎわっていたのでしょうし、それに伴って財力もあったのでしょう。法住寺虚空蔵堂を筆頭として文化財がいくつか見られますし、また伝説・民話もかなり豊富な土地柄です。

法住寺にも実は悲恋話の伝説があります。法住寺住み込みの小坊主さんと、大竜寺(という名前だと記憶しているのですが、後で資料を調べて確認してみます)のお手伝いしていた娘さんが主人公です。
昔はその二つの寺が激しく争っていて大変に仲が悪く、小坊主さんと娘さんが付き合っているのを知った両寺に関係する人々は、二人を憎んで寄ってたかっていじめ殺してしまったそうです。それからというもの、両寺の檀家のある村で不審火による火事が後を絶たず、村人たちはあの二人のたたりではないかと噂しあいました。
そこで二人を改めて手厚く弔うと、それきり不審火はおさまったそうです。

という話でして、物の怪も大蛇も竜も出てきませんが、人間の業のようなものをストレートにさらけ出した伝説でして何とも陰惨なものとなっています。伝説は伝説にすぎないのでしょうが、いつの時代でも「さもありなん」と思わせるものがあるからこそ、伝説は語り継がれているのかもしれません。

法住寺虚空蔵堂の大体の位置はこのあたりになります。

詳しい地図で見る

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コメント

確認してみましたが、法住寺と争っていたと伝わっているのはやはり大竜寺という名前のお寺のようです。伝説の中ではかなり大きなお寺だったようですが、現在そのような名前のお寺は存在していません。
大竜寺が無くなってしまったのか、それとも名前が他のものに変わってしまったのかはよくわかりませんでした。

投稿: 飯島商店 | 2008年11月23日 (日) 22時21分

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