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2008年10月30日 (木)

国宝安楽寺三重塔

国分寺三重塔前山寺三重塔大法寺三重塔と紹介していきましたが、上田地域で一番有名な木造塔といったら何といっても別所の安楽寺三重塔です。
よく知られていることですが、一番下の階は裳階(もこし)と言って飾りです。見た目では四重塔なのですが、三重塔として扱われているのはこのせいです。

Anrakuji1

Anrakuji2

見て分かるとおり、以前に紹介した三つの木造塔とは明らかに雰囲気が異なります。安楽寺三重塔は日本で唯一の木造八角三重塔でして、他の上田地域の木造塔はすべて四角形なのです。形が八角形のせいでしょうか何となく異国情緒が漂っていますし、まるで絵本で出てくる唐の国の風景のようです。

Anrakuji3

塔の二階部分をアップにしてみました。大法寺三重塔や国分寺三重塔とは異なり、縁側も手すりもありません。前山寺三重塔のように柱から貫が飛び出ている、といったこともありませんので、なんとなくキノコの傘を連想してしまうような姿をしています。

建築年代ははっきりとは分かっていませんが、大法寺三重塔とほぼ同時期の鎌倉時代末期であろうと推定されています。
この時代は、鎌倉幕府で執権として実権を握っていた北条氏の分家が、塩田に居城を構えて上田地域を統治していました。ですので、中央からの文化や富がふんだんに流入していた時代でもありまして、非常に多くの文化財が上田の地にもたらされました。俗に上田の塩田・別所地域を「信州の鎌倉」と呼びますが、鎌倉へとつながる鎌倉街道が整備されたりしまして太いパイプで繋がっていたのです。一説によると、安楽寺三重塔も北条氏の菩提をとむらう供養塔として建てられたのではないかとも言われています。

北条氏はご存じのとおり、後醍醐天皇や足利尊氏らによって攻め滅ぼされて鎌倉幕府滅亡の憂き目にあいます。上田の地で三代にわたって栄えた北条一族も、当主の北条国時・俊時父子が自刃して果てて滅亡することとなります。
この地域はその後、福沢氏、武田氏、真田氏、仙石氏、松平氏と統治者が変わって行きますが、統治者が変わろうとその価値が不変のものであったからこそ、現在まで安楽寺三重塔をはじめとした文化財は残り続けているのです。

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上田近郊の名勝・名所・文化財」カテゴリの記事

コメント

別所温泉は一度しか行ったことがありませんが、安楽寺を待っていました。一番印象に残っているからです。奥の階段を上って、少しでも高い所からと眺めていたのを思い出しました。懐かしい景色です。
私は別所地域の落ち着いた雰囲気が好きです。ゆっくり歩きたい場所です。また行きたくなりました。

投稿: 旅の途中Can子 | 2008年10月31日 (金) 11時38分

旅の途中Can子様
安楽寺三重塔は観光ガイド等でも必ず紹介される場所ですし、それに値するだけのインパクトのある文化財ですよね。別所温泉周辺は歓楽的な設備は非常に少ないですが、それだけに落ち着いた湯治を楽しむことができる良い雰囲気の温泉地だと思います。
夏ですとカブト虫などの昆虫の宝庫になりますので、子供連れのお客様にも意外と好評だったりします。

これからの冬の季節は寒くはなりますが、幸いにしてそれほど雪は降らない地域です。冬の鄙びた温泉地の散策も趣きがあって良いものです。
機会がありましたらまたお越しになってみてください。

投稿: 飯島商店 | 2008年10月31日 (金) 18時47分

ありがとうございます。
どの季節もきっと素敵でしょうね。私はまだ信州の夏の風しか知りません。
いつか泊まってみたい所があります。ツツジが咲く頃に、あの渡り廊下を歩いてみたい。ちょっと手が届かないかな。
どうもありがとうございました。

投稿: 旅の途中Can子 | 2008年11月 4日 (火) 13時55分

別所には趣のある旅館が多いですよね。私どもと同じ経営母体を持つ花屋ホテルという旅館もありますが、その名の通りに花の時期はとてもきれいです。

別所温泉の宿は全体的に高めの価格設定だと思いますが、それだけに静かな環境が守られ続けているのではないかと思います。
温泉街としては別所よりもさらに鄙びた環境になりますが、以前に沓掛の石芋で紹介しました沓掛温泉も田舎の雰囲気は満喫できる場所です。温泉施設の評判は私はよく知りませんが、よく散策に沓掛温泉周辺へと出かけることがあります。

投稿: 飯島商店 | 2008年11月 4日 (火) 21時52分

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