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2008年9月15日 (月)

塩尻岩鼻

半過岩鼻とセットになる大崖がありまして、塩尻岩鼻と言います。

2iwabana

上の写真の左の大崖が半過岩鼻ですが、右にあるやや緩やかな崖が塩尻岩鼻です。二つの岩鼻の狭間に千曲川が流れています。
半過岩鼻と違って鼻の穴はありませんが、半過岩鼻とセットのような位置関係にあるので塩尻岩鼻と呼ばれるようになったのだと思います。

上の写真ではなだらかな岩肌のように見えますが、

Shiojiriiwabana

近づいてみるとどうしてなかなか切り立った崖です。

半過岩鼻と塩尻岩鼻は昔は一繋がりで、大ネズミがかじって穴を開けたとの伝説があります(以前にも紹介しましたが篠ノ井有線放送のページが詳しいです)。
ちなみに上田で伝わっているネズミと唐猫伝説はこの篠ノ井有線放送で紹介されている伝説とは少々違いまして、「ネズミがツツガムシを退治した」という一節は全く伝わっておらず、ネズミは作物を食い荒らす悪者としてのみ語られています。ですが、ネズミを単なる悪者としない篠ノ井地方の伝説の方が安易な勧善懲悪話では無い分、物語に味わい深さがあると思います。

両岩鼻の位置関係からこのようなネズミがかじったという伝説が出来たものと思いますが、地質学的に見てみると半過岩鼻と塩尻岩鼻は全く異なり、半過岩鼻はヒン岩、塩尻岩鼻は緑色凝灰岩です。
ですが半過岩鼻で紹介しましたように、大昔は半過岩鼻の頂上を千曲川が流れていたのですし、半過岩鼻と塩尻岩鼻の間を比較的柔らかい地質が覆っていて見た目には半過岩鼻と塩尻岩鼻が一繋がりであった可能性は大いにあると思います。

塩尻岩鼻も半過岩鼻も同じく、千曲川の浸食作用によってできたものです。
半過と塩尻の両岩鼻の狭間は善光寺や越後方面へと抜ける北国街道が通っていたのですが、昔から非常に険しい難所として知られていたようです。加賀の前田家は参勤交代時にこの岩鼻の難所を無事越えると、飛脚を国許に出していたそうです。

今も半過岩鼻の崖崩れには悩まされ続けていますし、塩尻岩鼻の崖は大きく切り崩してようやくに崖下を通る国道18号線の安全を確保しました。今も昔も自然の大きな力と人間生活は、調和とばかりでは行かないようです。

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