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2008年7月 8日 (火)

花螺李と赤すもも

花螺李(からり・がらり)と言っても、普通は何のことか分からないと思います。沖縄諸島で栽培されている亜熱帯性のスモモの一種です。
以前から気になっていましたので、通販で購入してみました。

Karari1

届いた花螺李の様子です。ちょっと早採りで未熟気味な感じですが、輸送距離を考えると仕方が無いのかもしれません。

Karari2

花螺李の果実の様子と断面写真です。ちなみに、果頂部はヘタの逆側(果実のお尻)、果梗部はヘタ側を指します。実はこの花螺李は、私どもでジャムに使用している赤すももに非常に似た形質をもっているようでしたので、以前から興味があったのです。

実際に花螺李を手にして食べてみた感想としては、若干の違い(皮の厚さ・皮の渋み)はあるものの、瓜二つと言って良いと思います。花螺李を室温にて追熟させ、完熟状態にして芳香を確認してみると、赤すももに近い芳香を得ることができました。

花螺李は南方の台湾経由で琉球地方へと流入したスモモ品種です。沖縄で栽培され始めたのは昭和初期と比較的歴史は浅いですが、台湾では土着品種として非常に古い歴史があるようです。赤すももは標高1000m近くの冷涼な高地でしかうまく実をつけることができませんが、花螺李は逆に亜熱帯性の気候ではないと花は咲きますが実がつきません。恐らく、太古の昔の原種スモモが、北方経由で伝播したものが赤すもも、南方経由で伝播したものが花螺李になるのだと思います。

Karari3

ためしに花螺李でジャムを作ってみましたが、これは残念ながらちょっと期待はずれでした。ただ、恐らくこれは、早採りであることに加えて輸送中に鮮度が落ちたことが原因だと思います。木成り完熟の花螺李で作れば、もっと美味しいジャムになったことでしょう。

赤すももと兄弟関係にある花螺李の生産量は年々減少しているそうです。古来のスモモの形を強く残している花螺李は、大切に保存してもらいたいと願わずにはおれません。

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赤すもも(在来すもも)」カテゴリの記事

コメント

奄美大島で農業をやっている者です。 ガラリのことを書いてくださっているのを拝見いたし、大変 興味深く思いました。 そちらの赤すももとそっくりですね。 しかし 赤すももは 標高の高いところでないと実が付かないとのこと。 面白いですね。 きっとご先祖は同じだと思います。 私の知人の方は 種子を凍結処理することによって 遺伝子をリセットすることができることを最近発見しました。 もうすぐ特許を取るようです。 処理されたパパイヤや バナナは 本土の冬を越して実をつけています。 驚くべき現象です。おそらく世界初だと思われます。北陸の露地でバナナの実をつけているのを新聞で見られませんでしたか?

投稿: 畑 琢三 | 2015年12月15日 (火) 07時08分

畑琢三様

はじめまして。コメントありがとうございます。
花螺李と赤すももの関係の話は私の仮説に過ぎませんが、どちらも中国大陸にルーツがあると思っております。
長い歴史の中で、寒冷地適応品種と亜熱帯適応品種に枝分かれしたのでしょう。

北陸のバナナの話は知りませんでした。バナナの近縁種のバショウの仲間に耐寒性を持ったものがあることは知っておりましたが、バナナが北陸で結実するのですか。驚きました。

投稿: 飯島商店 | 2015年12月15日 (火) 14時09分

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